公開日 2022年6月21日 最終更新日 2023年12月15日
知れば知るほど面白いテクニカル分析!
略して「知るおもテクニカル!」
今回お話していくのは「MACD」です。
MACDは日本でも人気のあるテクニカル指標です。
たくさんの方が使っていますが、ゴールデンクロス・デッドクロスのサインの参考にする以外に、MACDの本質や計算式など、詳しく知られていないことと思います。
きっとそんな方も多いハズ。
MACDは難しい!と思われている方も多いと思いますが、計算式も本質もいたってシンプル。
「MACD」は知れば知るほど奥が深くて、便利な指標です!
今回はそんな空気のような「MACD」を深堀りして、チャートの見方をより読みやすく、より身近に感じていただけたらと思います。
MACDってなんの役に立つの?ゴールデンクロス・デッドクロス出現のヒント以外になにか意味はあるの?オトクな使い方はないの?と思われているあなたの疑問にお答えします。
ではいってみましょう!
目次(クリックすると好きなところから読めます)
MACD
MACD(マックディー)とは
MACD(マックディー)とは「Moving Average Convergence Divergence」の略で、移動平均線を応用したテクニカルチャートとして開発されました。
1970年代後半にジェラルド・アペルによって作成された株価のテクニカル分析です。
MACDのMA「Moving Average」は移動平均線のことです。
MACDのCD「Convergence Divergence」Convergence (収束、収れん、集中)という意味で、集まっていくということば。
Divergenceは乖離、開度という意味で、離れていくことばです。
移動平均線が(MA)くっついたり、離れたり(CD)することによって分析できる指標ですので、MACDは「移動平均収束拡散手法」とも呼ばれています。
MACDは、オシレーター系の指標として有名です。
オシレーター系の指標は、だいたいローソク足などのチャートの下に別枠で出ています。
オシレーターとは、「振り子」や「振り幅」という意味で、振幅計や地震計などと同じです。
振幅計なので、上がったり下がったりします。
投資用語では「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を示すテクニカル分析手法です。
MACDラインとシグナルラインの2本のラインとヒストグラムの3つのグラフを用いて相場を読む手法です。
MACDには3つもグラフがついていて複雑な見た目をしていますが、見た目と違ってとても簡単でシンプルです。
チャートの分析をする上で、MACDはわかりやすく使いやすいので、ぜひこの機会に使い方を覚えてください。
MACDの使い方は?
MACDにはオススメの使い方があります。
MACDを使う時は、MACD単体で表示するのではなく、上に移動平均線をつけてください。
MACDはその名に移動平均線(Moving Average)が入っています。
MACDは移動平均線の進化系ともいえる指標です。
では、どんな移動平均線をつけるかというと、12日の指数平滑移動平均線、26日の指数平滑移動平均線の二本です。
指数平滑移動平均線は、過去の価格よりも直近の価格になるほど比重を置いて計算された平均値です。
過去の価格ほどその影響が指数関数的に減少されることから、期間の数値を単純に平均した単純移動平均と比べて、直近の値動きに対する反応が早くなるという特徴があります。
指数平滑移動平均線は、簡単にいうと、直近のデータにより重きをおいた移動平均線となります。
N日間のデータを単純に比べるのではなく、直近のデータをより参考にできるように指数関数的に比重をつけていったものが、指数平滑移動平均線です。
MACDの計算式
今チャート上には、ローソク足と12日、26日指数平滑移動平均線、別枠でMACDラインとシグナルライン、ヒストグラムが表示され、かなりごちゃごちゃした印象かと思います。
大丈夫です。
MACDの計算式を見るとその理由がわかります。
MACDの簡単な見方をお話していきます。
MACDは短期移動平均線 から 長期移動平均線を引いた数値です。
先ほど表示していただいた12日と26日の指数平滑移動平均線と同じ値がMACDに入っています。
MACDは短期移動平均線と長期移動平均線の2本の間隔を表しています。
上昇トレンドで、12日、26日指数平滑移動平均線の間隔が大きければ、MACDは上昇していきます。
逆に、12日26日の指数平滑移動平均線の間隔が狭ければ、MACDは中央のゼロラインから動きません。
MACDは、表示した指数平滑移動平均線が線くっついたり離れたりしている幅をグラフの動きにより先読みできます。
ではなぜ指数平滑移動平均線の先読みをする必要があるのでしょうか。
それは移動平均線の特徴と目的にあります。
ゴールデンクロス・デッドクロス
トレンドラインの転換を捉える
MACDは、トレンドの転換点を捉えることができます。
移動平均線は、N日間の平均を取ることにより、現在の価格が平均より高いのか安いのかを視覚的に捉えることができる指標です。
同時に、トレンドの転換点である、ゴールデンクロス・デッドクロスを知らせてくれる指標でもあります。
移動平均線のもっとも大きなシグナルは「ゴールデンクロス・デッドクロス」です。
ゴールデンクロスは買いのサイン、デッドクロスは売りのサインです。
これは指数平滑移動平均でも同じこと。
MACDの本質は、12日、26日指数平滑移動平均線の間隔の差を表すことです。
トレードで利益を得るには、他に人より早く買いたい、他の人より早く売りたいと誰もが思うでしょう。
ですが、根拠がなければ売買できません。
MACDは、指数平滑移動平均線の動きを先読みして、売買サインのゴールデンクロス・デッドクロスをいち早く知ることができます。
他の人より早いタイミングでトレードができるところに、MACDを使うことの優位性があります。
MACDは、二本の移動平均線の差を追いかけて、ゴールデンクロス・デッドクロスを先読みするためにあります。
トレンド転換の判断サイン
ゴールデンクロス・デッドクロスはMACDでいちばん有名な売買シグナルです。
「ゴールデンクロスで買い」「デッドクロスで売り」とわかりやすいシグナルですが、よくいわれるようにゴールデンクロス・デッドクロスのシグナルだけで売買をしてしまうのはだましに会いやすくなり危険です。
クロスの位置で判断するヒントは2つあります。
2つ目は、適度に急角度でクロスしている
では具体的に見てみましょう。
クロスの判断は位置で決める
ゴールデンクロス・デッドクロスからのトレンド転換の判断サイン1つ目は、どこでクロスしたのかによって解釈を変えるということです。
たとえば、ゴールデンクロスがゼロ地点より下でクロスした場合は、トレンド転換の合図と解釈します。
トレンド転換では、ゼロ地点よりも低い位置でしっかりクロスを見届けて、中期線も超えて上昇をした後に買いを入れてれば、トレンドが十分出ていて確度が高まります。
また、ゼロ地点より上の、プラス圏でクロスした場合は、押し目から調整が完了したと解釈します。
このように、トレンドが確定しているかどうかで、売買タイミングを調整できます。
適度に急角度でクロスしている
ゴールデンクロス・デッドクロスで適度に急角度でクロスしていると信ぴょう性が高まるということです。
わかりやすいシグナルのゴールデンクロス・デッドクロスでも、はっきりしない値動きや、もみ合い相場でクロスした場合では、クロスが起こったとしても信頼性は低くなります。
ローソク足の上下ではっきりした強い値動きや、復数のシグナルが重なることでゴールデンクロス・デッドクロスの信頼性が高まります。
MACDはオシレーター系?トレンド系?
MACDはオシレーター系?トレンド系?
テクニカル指標にはトレンド系の指標とオシレーター系の指標があります。
MACDはオシレーター系、それともトレンド系、どちらなのでしょうか?
正解は、MACDはトレンド系指標です。
トレンド系指標には、相場のトレンドがあるかないか、上昇トレンドか、下降トレンドか、もみ合い相場なのか、トレンドの有無の判断をするために使う指標がトレンド系指標です。
オシレーター系テクニカル指標は、上昇トレンドや下降トレンドがあったときに、売られ過ぎや買われ過ぎなどの、相場の勢い(加熱状態)を数値で表して判断するために使われます。
指標の簡単な見分け方
オシレーター系指標とトレンド系指標の簡単な見分け方があります。
トレンド系指標はおもにローソク足の上に描かれ分析をするというものです。
移動平均線や一目均衡表、ボリンジャーバンドなどがトレンド系指標になります。
オシレーター系指標は主に、ローソク足のあるウインドウの下に、別枠でウインドウが開かれ、0~100の数値の中で動いています。
RCIやストキャスティクス、RSI、DMIなどがオシレーター系指標です。
では、MACDはどこに描かれているでしょうか。
ローソク足の下に別枠のウインドウで表示されています。
それによってMACDはオシレーター系の指標に色分けされることが多いのですが、MACDはオシレーター系ではありません。
オシレーター系指標は0~100などのある一定の数値中で、売られすぎや買われすぎなどの判断をすることが多いです。
それに対してMACDは0~100などの数値は決まっていません。
代表的なオシレーター系の計算式を見てみましょう。
一定期間の上げ幅の合計=A
一定期間の下げ幅の合計=B
RSI=A÷(A+B)
MACDの計算式は
MACD=短期移動平均線-長期移動平均線
MACDは2つの移動平均線の間隔(差)がどれぐらいあるのかを見て、トレンドが継続していくのか、それとも終わるのかを見ています。
短期移動平均線と長期移動平均線の間隔であれば、その差はいくらでも大きくなることもあり、いくらでも小さくなることもあります。
パーセント表記の、0~100の数値の中では収まらないのです。
MACDは移動平均線を進化させたものであるため、移動平均線と同じトレンド系指標となります。
ヒストグラムのゼロ地点は重要
MACDにはMACD線とMACDシグナル線という二本のラインのほかに、二本のラインの差(乖離)を表す「ヒストグラム」があります。
主に棒グラフで表示されますが、二本のラインの動きをより詳細に捉えることができます。
ヒストグラムでわかること
ヒストグラムではなにがわかるのでしょうか?
ヒストグラムは二本のラインの差なので、二本のラインが交差した地点(ヒストグラムのゼロ地点)でゴールデンクロス・デッドクロスが出現します。
ここが最初の回のポイント。
もう一つ、MACD線がヒストグラムのゼロ地点を超えたら、その上昇トレンドを本物と判断することができるため、ここが2つ目の買いポイントになります。
デッドクロス出現時は、そこが最初の売りポイントで、その後ゼロ地点を下回ったところで二番目の売りポイントになります。
MACDのゼロ地点は下から上にクロスしたら上昇トレンドが強まっている、上から下に抜ければ下降トレンドが強まっていると判断できるため、チェックしておきましょう。
ヒストグラムでの売買サイン
「ヒストグラム」はMACD線からシグナル線を引いたもの。
簡単に言えば、MACD線とシグナル線の間隔表したもの。
ヒストグラムの売買シグナルは、かなり早い段階で出てきます。
たとえば、ヒストグラムのボトムアウト(大底)つまり、ヒストグラムのグラフが下降から上昇に転じる点は、MACDのゴールデンクロスよりも先に形成されるため、買いシグナルとしてはもっとも早く現れることになります。
谷底を作って上がり始めたら買い(ボトムアウトで買い)、逆に山を作って下がり始めたら売り(ピークアウトで売り)ということが早くわかります。
ただ、売買シグナルが早く出現するということは、だましも多いということです。
ヒストグラムだけではトレンド転換の合図としては弱いので、ヒストグラム単体で売買のタイミングを決めてしまうのは危険です。
ヒストグラムはトレンド転換の合図であり、MACD上のゴールデンクロス・デッドクロス出現を匂わす現象程度に捉えておくほうがいいでしょう。
ですので、ヒストグラムだけで売買をするのではなく、EMAを一緒に見ながら、ヒストグラムのサインが出たら売買の準備など、ヒストグラム以外で理由を探し、買い増しや売り乗せなどをするようにしましょう。
ヒストグラムの強弱シグナル
ヒストグラムのもう一つの売買シグナルがヒストグラム強弱です。
価格が上昇傾向にある時、ヒストグラムが継続的に増えていってくれるかどうかが、トレンド強化の示唆になります。
ヒストグラムが継続的に増えているということは、MACD線がシグナル線から離れていって値動きが強まっている、つまりトレンドが強化されているとういことになります。
この特徴を見て順張りする、ホールドを判断ができます。
MACDのダイバージェンス
MACDのダイバージェンスは信頼度が高い
MACDのダイバージェンスは、RSIやストキャスティクスなど比べて、反応が鈍くなっています。
ダイバージェンスの反応が鈍いということは、それだけ早期に出現するだましを回避できるということです。
いきなり答えだけいってもなんのことやらわからないと思いますので、順にお話していきます。
MACDの便利な使い方のひとつに「ダイバージェンスの出現」があります。
たとえば、ローソク足が上がっていったとします。
ローソク足が上がっていて、オシレーターが下がっている状態のこと。
チャートとオシレーターのトレンドが逆行している状態が「ダイバージェンス」です。
MACDは移動平均線を元にしたテクニカル指標。
基本的には価格が上がっていれば、MACDの二本のラインも上昇傾向にあります。
ですが、時にMACDと価格の動きが逆方向になることがあります。
「価格は上がっているのに、MACDの二本のラインは下がっている」あるいは「価格が下がっているのに、MACDの二本のラインは上がっている」という状況です。
トレンドの方向を示すオシレーター系の指標では、このように価格に対して指標が逆方向に動くことを「ダイバージェンス」と言います。
MACDでこのダイバージェンスが発生している時は「足元の価格は上がっているが、上昇トレンド自体は終わりに近づいている」と判断することができます。
一方で、足元の価格が下がっているのに、MACDが上昇しているダイバージェンスが発生している場合は、「下降トレンドが終わりに近づいている」と考えられ、価格の反転シグナル。
買いのチャンスが近づいていると考えられます。
ダイバージェンスの出現位置
ダイバージェンスを示唆する他の指標として、RSIやストキャスティクスなどがあります。
それらに比べてMACDは反応が鈍くなっています。
反応が鈍いということは、それだけだましが少ないということ。
トレンドがある程度形成した後に入ることができます。
ダイバージェンスが出いればどこでもトレンドが反転するかというとそうではありません。
ダイバージェンスの出現による反転で、どの位置が重要なのでしょうか?
それは、天井または底になりそうなところでダイバージェンスになることです。
相場が上がってきていてレジスタンスに当たっている、相場が下がってきていてサポートに支えられている場合はトレンドの反転が起こりやすいです。
ダイバージェンスは複数回出現する
ダイバージェンスは一回出たからといってトレンドが転換するとは限りません。
ダイバージェンスが複数回出現することで、トレンド転換の可能性が高まっていきます。
チャートが一回切り下げて、MACDが切り上げた場合でも、チャートがまた下げてくることがあります。
チャートが下げてもMACDがダイバージェンスを起こし切り上げる、ということを繰り返してトレンドが形成されていきます。
このようにダイバージェンスの出現から次の売買の準備をして、さらにトレンドを追っていく長期的な目線で見ていきましょう。
MACDのデメリット
レンジ相場では役に立たない
MACDのデメリットとしてレンジ相場では役に立たないことがあります。
レンジ相場ではクロスが頻発して、信頼性の高いクロスが発揮できず、参考にしくいです。
レンジ相場では、レンジ相場を抜けるか、他の指標を併用するという対策が重要になってきます。
MACDと相性のいいRCI
MACDとの併用でオススメな指標はRCIです。
RCIはオシレーター系の指標で、プラス100付近で売り、マイナス100付近で買いということができます。
レンジ相場に強く、価格が規則的に動けば動くほどRCIのシグナルの信憑性は高くなっていきます。
レンジ相場中はRCIを使って、トレンド相場ではMACDとRCIの併用をして、トレードの確度を高めていきましょう。
まとめ
MACDは日本でも人気のあるテクニカル指標です。
たくさんのひとが使っている指標は、それを見てトレードをしている分母も多いということです。
ゴールデンクロス・デッドクロスのサイン以外にさまざまな使い方ができるMACD。
MACDの計算式を理解すれば、移動平均線の動きを先読みし、トレンド転換の合図がわかります。
またゴールデンクロス・デッドクロスがどの位置で出現するかによって信頼度がわかり、トレードの確度が高まります。
トレンド転換の前兆をつかむためには、ダイバージェンスの出現を見ることも役立ちます。
MACDのダイバージェンスは他の指標と比べると、反応が鈍くなっています。
ダイバージェンスの反応が鈍いということは、早期に出現するだましを回避できる、ともいえます。
このようにMACDは、使えば使うほど多角的にトレードを捉えることができます。
いつもとなりにいる空気のようなMACDが、さらに身近に使いやすくなったら嬉しいです。
みなさんもチャートのお供にMACDを活用していってくださいね。
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